奈良国立大学機構 奈良型エクステンション ブログ

奈良国立大学機構が試行する地域連携の社会技術「奈良型エクステンション」モデル3地域を中心とした紹介です。

【東吉野村】子ども未来エリアを考えるワークショップvol.2が開催

2025年11月2日 8月20日に引き続き、東吉野エクステンションのある旧四郷小学校において、45°BASEプロジェクトの、こども未来エリアを考えるワークショップが開催されました。2回目となる今回は、「つくる」フェーズ。奈良教育大学の原山教授を講師にゼミの学生がお手伝いをして、子どもたちと一緒に陶板で遊び場の看板作りを行いました。教室では、作業に没頭する子、学生と一緒に楽しんでいる子など、とても賑やかに盛り上がっていました。なお、本ワークショップは、東吉野村で行われていたオープンアトリエの一環としても位置づけられていました。

 

詳しくは、以下の担当ひよカレメンバーによるInstagramをご覧ください。

 

 

陶芸ワークショップの様子

 

【下北山村】奈良女子大学の学園祭に出店し、またまたOGが応援にかけつけました

10月31日~11月1日に行われた奈良女子大学の学園祭「恋都祭」。11月1日限定でつちのこアンバサダーズが出店しました。授業で考案された「ジャバラのドリンクゼリー」の販売、下北山村の公式インスタをフォローした方への抽選会、職員採用のチラシ配布などを行いました。
抽選会の特賞は最大24名分のサークル合宿招待券でオープンキャンパスに訪れた高校生に当選したようです。
出店ブースでは、つちのこアンバサダーズのメンバーだけでなく、鈴木特任助教、地域商社の方をはじめ、これまでの授業を受けていた学生、OGが東京や徳島からもかけつけてブースを盛り上げました。

 

恋都祭出展

 

【下北山村】村の総合計画が公表され、奈良女子大の調査の結果が活かされました

下北山村が今後10年間の目標や将来像をまとめた総合計画が発表されました。

https://www.vill.shimokitayama.nara.jp/about/file/2654dfe6e39c41fcdfe0e29e5319fff895773027.pdf

上記から閲覧・ダウンロードできます。

 

 たくさんの時間をかけて、住民の声をたくさん聞き、それを反映した素晴らしいものです。暖かみのあるデザインも秀逸です。

 村のHPに記載された説明文の一部を引用・紹介します。

「本計画は、「風土文化を受け継ぎながら、みんな幸せに住み続けていけるきなりの郷」を将来像に、人口減少、少子高齢化社会において村民がこれからも安心して、健やかに、この村で住み続けたいと思えるように、どのような村を展望し進んで行くのか、今後10年間の方針と具体策をまとめた、「下北山村総合計画2025(第4次総合計画および第3期総合戦略)」です。

計画書を制作する上で多くの村民の声を聞き、村の課題や資源、村のみんなに聞いた10年後の未来のイメージを掲載しています。本書をご覧になられた方が、少しでも下北山村を身近に感じ、想いを寄せていただけると幸いです。」

 この24ページ「2050年の人口目標」の項に、奈良女子大学水垣教授(社会学)が村と共同研究で実施した調査と分析の成果が活かされています。以下その冒頭を引用紹介します。

「「国立社会保障・人口問題研究所(社人研)」が公表した、「日本の地域別将来推計人口」(2023年度推計)によれば、下北山村の2025年の人口は666人、2030年の人口は589人、2040年には451人、2050年には337人になると予測されました。その事態を回避するために、2023年度、村では奈良女子大学と連携し、人口動態と規定要因の分析に基づいた将来人口推計と人口目標についてモデル構築を行いました。」(p.24)

 このブログでも何度か報告してきた水垣教授の共同研究と分析が、総合計画に公式に反映されたことは大変うれしいことです。

 

 ともあれ、本当に素晴らしい計画、ぜひご覧ください!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【東吉野】いこか!ふるさとひよし祭り(まちゅり)開催


 奈良国立大学機構も学生ボランティア募集に協力している、東吉野村での「いこか!ふるさとひよし祭り(まちゅり)」が今年も2025年9月28日に開催されました(前夜祭27日)。
三年目を迎えた今回も、お天気に恵まれ、村内外からたくさんのご来場をいただき成功裡に終わりました。
 「賑わいを取り戻したい」という地元の人々の思いと、「この村をもっと盛り上げたい」「いろんな人と繋がりたい」という移住してきた人々との思いが合致し、この祭り(まちゅり)が始まりました。
 9月27日(土)は前夜祭。新しく作られた「オオカミ音頭」と古くから伝わる「祭文音頭」二つの盆踊りで盛り上がり、お楽しみ抽選会ではみんな熱くなりました。
 9月28日(日)は本祭。たくさんの村内出店者による、飲食・物販・体験・ステージ等盛りだくさんの内容で会場は大盛り上がりでした。

 

 旧四郷小で活動するひよしカレッジ四郷も「ひよカレ移動図書室」として出店。本の読み聞かせとペープサート、古着物、古本の販売を行いました。たくさんのこどもたちが参加してくれました。
 実行委員会と地元、学生ボランティア、出店者そして、協賛いただいた東吉野村、村内事業所、多くの方々の働きと思いで、この祭りが盛り上がり続けています。ボランティアには、前夜祭が6大学の学生22名、本祭が3大学18名、まつり内の出店を行った大学は5大学合計8名でした。
 ご来場ご来村いただいたみなさんありがとうございました。この祭りに関わってくださったすべてのみなさん、お疲れ様でした。



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【東吉野村】断熱ワークショップ第1回無事終了

<報告1>

 以前にもこのブログで告知しておりました、断熱ワークショップの第1回が2025年9月27日に、東吉野村エクステンションのある旧四郷小学校で行われ、約40名の方が参加しました。

 対象となった部屋は、会議や小規模なイベント、講演会、野外実習の事前座学などでもっとも頻繁に使用している部屋です。もともと教室で1階ということもあり、冬は底冷えがあり、窓が広いぶん、冷暖房が効きにくいなど、頻繁に使用するわりには環境は決してよくありませんでした。とくにひよカレの子ども行事では、多数のお子さんが参加しますが、しゃがんだり座り込んだりする動作をする際、冬場の低温は一同気になっていたところです。

 今回、奈良女子大学工学部・生活環境学部の久保先生、佐々先生、吉田先生の3名と学生3名が参加し、専門的な見地から、この効果を測定してくださることとなりました。

 

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床はり開始

主催者である奈良県地域温暖化防止活動センター(NPO法人奈良ストップ温暖化の会)の先生方、および(一社)日本住宅リフォーム産業会のご協力を得て、地域の方、役場職員の方、断熱に関心をもって近隣から学びに来られた方、近隣の自治体職員の方、奈良県内の林業家の方、そして奈良国立大学機構教員・学生など多様な立場のメンバー多数が集まり、一緒になって床貼りの作業が進んでいきました。

測定機器の準備をする奈良女子大学の学生さんと先生

屋外にも測定装置を学生さんが設置

 最後は全員で記念写真をとり、第1回のワークショップは予定より早く迅速に終わりました。また、一人の学生さんはこれを卒業研究としてくださるそうで、教育・研究にも結びついて大変素晴らしいと思いますし、専門の教員が加わって断熱効果が客観的に数値として出されることもひとつの貢献といえそうです。

 はやくも第2回・第3回が楽しみとなってきました。

 

<報告2>このワークショップを奈良国立大学機構エクステンション特任助教が事前交渉など含めてハブとして動いてくれています。以下は、その特任助教による報告です。

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断熱ワークショップin東吉野村

第一回「床を断熱しよう!」開催報告

 

9月27日(土)朝から講師の矢島さんと大工さんで準備して下さり、角材を寸法きっちりに配置した状態からワークショップが始まりました。奈良女子大学工学部・生活環境学部の断熱の研究も一緒に行えることになり、先生方、学生さん、見学の方含め約40名の方にご参加いただきました。

断熱や脱炭素など環境やエネルギーに興味のある参加者の方が多く、作業に入る前には多数の質問が寄せられましたが、なぜその材料の方がいいのか?どこで入手できるのか?など丁寧にわかりやすく説明いただき、とても参考になりました。

 

作業に入ると、皆さんの連携や手際の良さと、プロの大工さんのサポートもありどんどん作業が進み、断熱材を入れて元通りの床にするところまで、あっという間に本日の工程が終了しました。

 

このワークショップでは、ただ作業をするだけではなく、なぜ断熱が重要なのか?断熱が人々にもたらす健康や、省エネルギーに繋がっていくことなど、大事なお話を専門家に聞き、学びながらスキルと知識を自分たちの暮らしに持ち帰ることができます。

高騰し、枯渇していくエネルギーを消費するばかりではない暮らしにつながるワークショップは全三回の開催です。

 

次回は11月8日(土)13:00-15:00

第二回「窓を断熱しよう!」

※チラシ掲載情報から時間を変更しています

 

窓の隙間テープやプチプチを使った簡単な断熱作業をしながら、プロのサッシ取付などを見ることができます。

 

第三回で「効果測定結果報告会(2/14)」を予定しておりますので

連続でも、一回のみでも、ぜひご参加下さい。

 

村内外たくさんの方々に関わっていただきご協力いただいたおかげで、一回目から盛況に終わることができました。ご参加いただいた皆様、大学教員・学生の皆さん、関係者の皆様、ありがとうございました!

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【下北山村】奈良教育大学の学校実習生がお手伝い


 2025年9月27日のサッカーチーム奈良クラブのホームゲームは「下北山村民デー」でした。会場には下北山村がブースを出店しましたが、そちらで、現在、このブログでも紹介した、地域協働型学校実習を行っている奈良教育大学の院生2人もお手伝いをしていました。

(ロートフィールド奈良にて。写真利用は御本人の承諾済み)

 

 そのまま下北山村に戻り、明日は奈良クラブのイベントをお手伝いするとのことで、大活躍です。ブースでは奈良女子大学生が授業「下北山学」で企画・商品化した「ジャバラマヨネーズ」も販売されており、リピーターとして購入されているお客様の姿も見られました。
 学校実習自体は残すところあと2日。9月30日までです。

 

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【下北山村】学校実習と教育大地域教育連携室を村からオンライン開催

 奈良教育大学地域教育連携室は、同大学の教育を通じた地域連携についての責任部署で、同大学の教員に加えて、奈良県教委、奈良市教委、教育NPOの方が出席しておられ、それに加えて、奈良国立大学機構の地域実践部門の部門員も参加し、法人の地域実践部門と教育大の相互連絡をはかってきました。

 その成果をひとつ紹介します。教育大の学校実習(院生対象)を、多くの学生・院生にとって馴染のない過疎地域の学校で実施することが実現しました。場所はエクステンションのある下北山村小中学校。教育大技術教育教室の2名が今年度はじめから村での実習を行っており、9月は一ヶ月村に在住して実習を行いました。

 この実習は、従来の教育実習・学校実習の枠組みにとどまるものではありません。地域教育連携室で議論を重ねた結果、過疎地域において実習生は地域の人々にとっても貴重な出会いや課題解決の知恵を提供できる存在である、という考えのもと、学校実習の時間外に、学校の外で積極的に地域の方と交流し、地域に貢献できることを探し、提案するという試みです。

 この状況を視察すると同時に、お世話になっている下北山村教育委員会下北山村地域づくり推進課、地域商社つちのこパークの方と、連携室のメンバーが出会うため、メンバーの多くが下北山村におもむき、9月の地域連携教育室会議は教育大と下北山エクステンションをオンラインで結んで実施しました。(9月10日)

 

sites.google.com

 

 

 

下北山村エクステンション側から教育大地域教育連携室会議に参加するスタッフ)

 

 窓の外を猿の親子がしばしば通り過ぎる様子を横目でみながら会議を進め、下北山村で大学地域連携を支援してくれている皆さんを、オンラインで県教委や教育大の事務方に紹介することができました。

 翌日(9月11日)、役場を表敬訪問し、さらに村がつくっているコワーキングスペースの視察とそこの常駐スタッフとの交流のあと、下北山小中学校を訪問し、院生さんの授業風景を参観させていただきました。二人の院生さんの落ち着いた姿勢や先生方のあたたかいご指導ぶりに感銘を受け、皆さんと全員が再会の約束をして、学校を後にしました。

学校前でお別れの挨拶をかわす