奈良国立大学機構 奈良型エクステンション ブログ

奈良国立大学機構が試行する地域連携の社会技術「奈良型エクステンション」モデル3地域を中心とした紹介です。

【東吉野】奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所主催の総合流域学リカレントプログラム試行(10/7)

 奈良女子大学にある大和・紀伊半島学研究所では、「総合流域学」のコンセプトに従い、河川流域を一つのまとまりとしてとらえ、その自然・環境的側面(共生科学研究センター担当)、歴史的側面(古代・聖地学研究センター担当)、および人文・社会学的側面(なら学研究センター担当)について総合的に学ぶ「リカレント教育プログラム」を提供していくことを計画しています。 今年度は、東吉野村を舞台にして少人数による教育プログラムを試験的に実施し、今後に向けての基礎データを集めることとなりました。今回はトライアル授業ということで、地元東吉野の方や研究所にゆかりのある自治体職員さらに、研究者などに声がけをしました。奈良教育大学からも2名の教員が参加してくれました。





【日 時】
10月7日(土)10時30分~17時頃"
【時間割】
10:40 開催挨拶、プログラム説明
10:45~12:20 ①つくばね小水力発電所見学 (講師:大谷 彩貴氏 つくばね小水力発電所 職員
 12:20~13:20 昼食・休憩
13:20~14:50 ②河川実習 (講師:片野 泉氏 奈良女子大学 教授)
14:50~15:00 休憩
15:00~16:20 ③天誅組 歴史講話 (講師:桝本 君孝氏 東吉野村天誅組顕彰会 会長)
16:20~16:30 休憩
16:30~17:00 ④総合討論
17:00 終了挨拶 アンケート等"
"プログラム" 



①つくばね小水力発電所見学 :つくばね小水力発電所を見学しました。同じ推力を用いるものの大規模なダムとは異なる特徴をもつ小水力発電の仕組みと利点と課題を学び、流域を通 じた水力の有効利用や再生可能エネルギー全般について考えるきっかけとしました。取水口とオーバヘッドと発電施設の3箇所を見学し、自然からエネルギーが生み出されることを体感することができました。

 

"②河川実習: 東吉野村旧四郷小学校近くを流れる四郷川にて自然河川の構造を観察し、 環境計測を行い、そこに生息する生物を採集・観察・分類することで、河川 が生み出す環境と生物の多様性について学びました。片野先生のわかりやすくて知的な説明を受けたあと、胴長を履いて、一同川に入りました。その段階で大人たちが大興奮。川の下にある水の流れを観察したり、水中生物を観察したり、本当にあっという間の時間でした。

 

天誅組:エクステンションに戻った一同は、 歴史講話を受けました。地元郷土史家の先生が講師となり、幕末に挙兵した尊王攘夷派の武装集団「天誅組」は各地を転戦したのち、最 終的には東吉野村鷲家口付近で壊滅した。天誅組の蜂起とその後の軌跡を学ぶことで、当時の自然や社会、制度や思想について学びました。





④総合討論 :上記の見学・実習・講義を通じて学んだ東吉野村における自然・環境や歴史、 社会的な取り組みに関する知識に基づき、河川・流域とそれらが作り出す環境、社会、文化、歴史のかかわりについて考えました。まず共生科学センターの酒井センター長から、総合流域学とはなにか、またその理念を体現した今回のリカレント授業の主旨について説明が行われました。 その後グループに分かれて、全員で、今回のリカレント教育プログラムについて評価を行いました。最適人数について、また盛りだくさんなプログラムをどのように消化不良なく計画するか、ということについて、など多くの有益な議論がかわされました。最後には、研究所が用意した修了証が、古代学・聖地学センターの奥村センター長から受講者全員に手渡されました。
 
"奈良女子大学スタッフ 
寺岡 伸悟(大和・紀伊半島学研究所長)
 酒井 敦(共生科学研究センター長) 
奥村 和美(古代学・聖地学研究センター長)
 片野 泉(共生科学研究センター 河川実習 講師) 
村松 加奈子(共生科学研究センター) 
高田 将志(共生科学研究センター) 
遊佐 陽一(共生科学研究センター)
 現地スタッフ
 大谷 彩貴(つくばね小水力発電所 講師) 
桝本 君孝(東吉野村天誅組顕彰会 天誅組 歴史講和 講師)
 協力 
大谷 円(社会連携センター"