奈良国立大学機構 奈良型エクステンション ブログ

奈良国立大学機構が試行する地域連携の社会技術「奈良型エクステンション」モデル3地域を中心とした紹介です。

23年7月エクステンションMTG

7月5日水曜日、定例のエクステンションMTGがハイブリッドで行われました。

カレッジズ連携推進センタースタッフが司会進行、下市町、東吉野村下北山村の特任助教東吉野村役場の方、下北山村役場の方が参加くださいました。奈良女子大学社会連携センター、奈良女子大学大和・紀伊半島学研究所からもスタッフが参加しました。

3地域での活動報告が各特任助教から行われ、それに関する議論、という順序でMTGは進みました。話題は以下のように多岐にわたりました。

◯下市町:総務省の農山村子ども体験事業の準備の状況、奈良県南部東部振興課が下市町で実施する予定のマインドトレイル事業のスタッフアーティストや県職員と地域の人々の連携支援、あきつ学校関連、授業「コミュニティリサーチ」の地元での成果報告会の様子など

下北山村:授業「下北山学」の実施状況、奈良女子大臨床心理系院生の下北山調査の現状報告、役場と奈良女子大学社会学系の共同研究契約の現状、教育委員会と奈良女子大文学系の共同研究調査の現状、下北山特任助教のもとでのインターンシップ受け入れ修了の報告など

東吉野村:特任助教が行っている村議会議員、地域NPO等、地元在住アーティスト達との連携づくりの現状、大和・紀伊半島学研究所が東吉野村で実施予定の子ども自然体験学習の準備状況、東吉野村の中学生を対象にした大学生による夏休みの勉強サポート事業の準備について、奈良女子大学理学部教員が申請メンバーになっているJSTのCOI-NEXTの地域サイトとしての協力依頼関係の情報共有、旧四郷小学校での地域の方との清掃作業、座談会の現状など

◯連携推進センター側:文科省文化庁からの2つの地域連携事業の情報共有。

 このように、地域在住の特任助教とエクステンションという場所の存在が、信頼関係に基づいた地元間でのつながりを育み、それらが教育・研究・事業などの様々なかたちであらたな創発を生みだしつつあります。おそらくポイントは以下の3点かもしれません。

☆大学が選んだ「研究者(系の人材)」を「特定の目的」のために地域に送りこむ、のではなく、

(1)もともと地域に在住の方を地元側と一緒にコーディネーターとして選び、支える。

(2)役場の中でも公民館でもない、第三の「公共の場」を地域に現出させる。

(3)特定目的のためではなく、様々な思いや人や情報が自然に集まり、そこで何かが創発するプラットフォーム(ラーニング・コモンズの拡張版、創発の苗床)を作る。

 これからもこれらの点については、実践のなかで試行錯誤しながら、考えを深めていきたいと思います。